指定された場所は初めてのエリア、下北沢。待合せのお店へ行く途中、その周辺にはいくつも古着屋さんがあって私はたちまちこの町が好きになった。古着は10代の頃から好きだったけれど、昔の好きと今の好きはその好みも理由も違う。そして、約一か月ぶりに再会を果たした彼女と下北沢で一緒にお昼ご飯を食べるなんて、出逢った日には想像すらしていなかった。連れて行きたいと言ってくれたいくつものお店は私の知らない所ばかりでその一軒一軒を調べてはみたものの、一人で、または別の誰かと行ってみたいとは思わなかった。そう、彼女に会う理由はいくつもあるのだ。 |